【初心者向け】フルサイズ・APS-Cの違い・特徴を解説
- 一眼カメラの購入時や性能を見る上で必ず目にするのが「イメージセンサー」と「センサーサイズ」です。
- 一眼カメラは、イメージセンサーの大きさがそれぞれのモデルで異なり、違いや特徴がよくわからない方が多いのではないでしょうか。
- 「初心者はAPS-Cサイズがおすすめ」
- 「性能を重視するならフルサイズ」
- などの言葉も耳にしたことがあると思います。
今回は【フルサイズ】と【APS-C】の2つのセンサーの違いと特長について説明していきたいと思います。
そもそもイメージセンサーとは?
カメラのイメージセンサーは、カメラが光を受け取って画像を捉えるための半導体のことをさします。
一眼レフカメラやミラーレス一眼には必ずイメージセンサーが搭載されており、スマートフォンにも搭載されています。
イメージセンサーの大きさはいくつか種類があり、カメラによって異なります。
イメージセンサーの種類
上の図がカメラのセンサーサイズの比較図になります。
このように見ると、意外とセンサーサイズが多いことに気がつくのではないでしょうか。
この中でも、一眼カメラで採用されているセンサーサイズは主に3つにわかれます。
・フルサイズ (36×24)
・APS-Cサイズ (23.6×15.8mm)
・マイクロフォーサーズ (4/3 17.3x13mm)
こちらの3点のイメージセンサーの特徴などを解説をしていきます。
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フルサイズ(Full Frame)
- フルサイズセンサーは、35mmフィルムの撮影領域と同じ大きさを持つセンサーであり、センサーのサイズは36mm x 24mmです。
フルサイズのカメラは、製造コストが高く、中上位機種から上位機種が多くなっております。
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APS-C(Advanced Photo System type-C)
APS-Cセンサーはフルサイズセンサーよりも小さいセンサーで、一般的なAPS-Cセンサーのサイズは約23.5mm x 15.6mmです。厳密な大きさの規定はなく、カメラメーカーによってAPS-Cセンサーのサイズは少しだけ異なるケースもあります。
フルサイズセンサー搭載のカメラは高級機のため、なかなか購入できないカメラでした。
APS-Cセンサーは、最初に購入してもらえるカメラとして普及を目指した機種が多く、このため比較的安価に購入できるようになっています。
マイクロフォーサーズ
マイクロフォーサーズはAPS-Cよりも小さく、センサーサイズは、約17.3mm x 13.0mmです。
こちらのセンサーサイズはOLYMPUSとPanasonicのミラーレス一眼のみに搭載されているセンサーサイズです。
今回マイクロフォーサーズの具体的な説明は割愛させていただきます。
フルサイズのメリット
1. 高画質
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フルサイズセンサーは、APS-Cセンサーやマイクロフォーサーズセンサーに比べ、大きな表面積を持ちます。
光を取り込む量が多くなり、より多くの情報を取り込むことができることから、高い解像度と優れた画質が得られます。
特に、低光条件や高コントラストのシーンでの性能が際立ちます。 -
2. 優れたボケ(背景のぼかし)
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フルサイズセンサーは、広い視野をカバーできるため、広い画角で撮影することができます。これにより、被写体を前景に配置し、背景をぼかすことができるため、美しいボケを表現しやすくなります。
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3. 外部レンズとの互換性
- フルサイズセンサーは、35mmフィルムサイズに基づいているため、35mmフィルムカメラ用のレンズとの互換性があります。これは、レンズの選択肢が豊富で、特に広角レンズなどにおいて優れた選択肢が得られる利点となります。
4.暗所性能
センサーサイズが大きいと多くの光を取り込むことができることから「暗所」にも強い傾向にあります。暗いところ(夜空や夜景など)であってもノイズが少なく綺麗に撮れるのがフルサイズ機の大きなメリットのひとつです。
フルサイズのデメリット
1.価格が高い
フルサイズのカメラは高性能なセンサーと大きなボディを備えているため、他のカメラに比べて製造コストがかかります。
また、シャッターユニットなどメカ機構にもパワーと精度が求められるところも、コストがかかってしまう一つの理由です。
2.重量
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フルサイズセンサーは大きいため、他のカメラに比べて大きく重い傾向があります。
旅行やアウトドアでの撮影時には、持ち運びや操作が煩雑になる可能性があります。
3.高性能なレンズが必要になる
フルサイズセンサーの性能を引き出すためには、高性能なレンズが必要です。
高性能レンズはどうしても大きくなり、価格も高価になります。
特に高画素機になるにつれて、レンズ性能の差がより顕著に出る傾向があります。
APS-Cのメリット
1.価格が安い
APS-Cサイズのカメラは、フルサイズのカメラと比較するとセンサーサイズも小さく、サイズも小さくなるため価格が安い傾向があります。
初心者の方や、これからカメラを趣味で初めたい方には、低価格で高性能なカメラを手に入れることができるメリットがあります。
2.軽い
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APS-Cセンサーはフルサイズセンサーよりも小さいため、それに対応するカメラボディやレンズも小さく軽量です。
カメラ本体だけでなく、APS-C用のレンズもフルサイズのレンズより軽量の為、持ち運びに便利です。 -
3.レンズが低価格で買える
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APS-Cセンサーサイズ用のレンズは、フルサイズセンサー用のレンズよりもコンパクトで手頃な価格のものが多いです。
APS-C用のレンズは一般的に軽量であり、旅行や日常の撮影に適した選択肢が豊富です。 -
4.望遠で被写体を大きく写せる
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フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーは、上記で説明したように、レンズ上において同じ焦点距離でも画角が異なります。
フルサイズセンサーの場合、レンズ上での焦点距離がそのまま35mm換算(焦点距離の基準)での焦点距離として反映されます。
しかしAPS-Cセンサー搭載モデルの場合、フルサイズセンサーよりもセンサーサイズが小さいことからレンズ上の焦点距離×1.6(ニコンの場合は×1.5)が35mm換算の焦点距離となります。例えばレンズにおいて50mmの焦点距離を指定した場合、APS-Cセンサーでは1.6倍となりますので、フルサイズ換算で80mm相当の画角となります。
APS-Cセンサーのデメリット
1.画質の低下
APS-Cセンサーは、フルサイズセンサーよりも小さいため、フルサイズと比較するとどうしても画質が劣ります。
ですが、近年ではAPS-Cセンサー搭載機による性能向上も著しく、特に日中で光量が多い場面ではフルサイズセンサーとの劣度は感じられなくなってます。
2.ボケが少ない
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フルサイズカメラは広いセンサーサイズにより、背景をぼかすボケ表現が美しく表現されます。
ですが、APS-Cカメラではセンサーサイズが小さい為、ボケの表現には制限があります。 -
3.レンズに制約がある
- APS-Cカメラ用の専用レンズが豊富に存在しますが、フルサイズセンサー用の高品質なレンズと比較すると、一部の特定の焦点距離やレンズタイプにおいて選択肢が限られることがあります。
4.広角撮影に不利
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APS-Cセンサーの倍率により、広角レンズの画角が狭くなるため、広い風景や建物などを撮影する際にはフルサイズカメラに比べて不利になることがあります。